レポート

  1. HOME
  2. レポート
  3. 登山を始めたらハマりすぎて生活が変わってしまった

登山を始めたらハマりすぎて生活が変わってしまった

山に登り始めるきっかけ

はじめまして。登山大好きWebデザイナーのアラツです。

ここ2年ほど僕がずっとハマり続けている登山の魅力について書いていきたいと思います。偏愛っぷりがひどい記事になると思いますが、好きなものは仕方ないのでこの場で語らせてください。それくらい登山が楽しいです。もともと体を動かすのは好きなのでハマる素質はあったと思っていますが、まさかここまでハマってしかも続くとは思ってなく自分でもいい趣味を見つけたなという感じです。

始めた時は装備もショボショボで傍から見たら「コイツ大丈夫か?」って思われるようなレベルだったと思いますが今では25kgくらいの重量は問題なく担げるようになったし、1人で3泊4日の縦走に行けるようになるなど、友人のおかげもありすっかり山に登れる人に変わったはずです。

ちなみに3泊4日で縦走に行った時の動画はYoutubeでご覧ください。
初の北アルプス3泊4日の縦走の旅

山がこんなに楽しいと思っていなかった

そもそものきっかけは日本三大修験道の1つ、英彦山の中にある裏英彦山と呼ばれるルートを歩いてみたいと思ったことでした。ちなみに英彦山は小さな頃から紅葉を見に行ったり、馴染みのある山でした。会社の登山部でも鬼杉を見に訪れた事があります。

登山が好きな友人がいたので、案内をお願いした所、ベテランの方が一緒に案内してくださる事になったのでノコノコついて行ったらそこには今まで知らなかった山の姿がありました。今まで自分で登ったことのあるルートと言えばキレイに整備された一般登山道ばかりで、どこを登ればいいか明確になっている道ばかりでした。危険も少ないし、登頂までの時間も狂いにくい、そんな易しいルートでした。

が、裏英彦山に入ってみると、どこを通っていいか分からない、そもそも道があるかが判断できない、急登や岩場が普通に出てくる、いわゆるバリエーションルートと言われる難易度が高めのコースでした。このルートは初心者が1人で行けなくはないですが経験者と行くのを推奨します。

自然のアスレチックの中で一歩間違えれば滑落する、という緊張感を感じたのを今でも思い出します。日常と非日常が強制的にスイッチした感覚に魅力を感じたのもこの時でした。

登山の魅力

絶景に感じる魅力

山の魅力として、単純に登るのが楽しい。その他にはやっぱり景色がキレイ。これも楽しみの1つです。

なぜ景色にそんなに魅力があるのか、それはやはり自分でそこまでいかないと見れないから、につきると思っています。好き好んで山に入っていく人でない限り、その山を登った先にある景色にありつくことはできません。そこに絶景があると分かっていても自分の足でそこまでいかないと自分の目で見ることは絶対にできないのです。
わざわざ山を登って、ようやくその景色を見ることができる、というのはこの条件をクリアした人だけに与えられる特権かな、なんて思っています。

ちなみに、山頂で朝焼けを見るの、最高に楽しくてキレイですよ。夜中から山に登らないといけないので真っ暗な中淡々と登るのは慣れないうちは怖くて仕方なかったです。

ギアに感じる魅力

次にギアです。登山に行く時に持っていくものは色々あって、例としてはこんなものがあります。

  • 雨具
  • ツェルト
  • ヘッドライト
  • ファーストエイドキット
  • 常備薬
  • コンパス
  • 地図
  • モバイルバッテリー
  • 行動食
  • 飲料

他にもまだありますが、日帰りなのかそうじゃないか、などで持っていくものや重量も変わってきます。僕が好きなのはそれらを入れるザックです。もう一つはブーツ。

ザックは持っていく装備に合わせて容量をコントロールします。持っているもので一番小さなものは20L、一番大きなものは80Lです。今欲しいのはグレゴリーのバルトロです。75Lが欲しい。

そしてブーツ。今使ってるのはスポルティバのエクイリビウム。
これを買うまでに色々と紆余曲折があったのでそういう事もあり特別思い入れのある一足です。ライトアルパインブーツと呼ばれるカテゴリの靴で、一見重そうに見えますがめちゃくちゃ軽くて(なんと1足640g)、クッション性能が高いので長距離歩いても全然疲れないし足も痛くなりません。岩稜帯を歩くときもしっかり足をサポートしてくれるので安心して歩くことができます。

あとついにトレランシューズをゲットしたので少し無茶なことをやりたくなってきてるのと、テントもようやくゲットしたのでやっと山の中で泊まるのに不自由しなくて済むようになりそうです。

観光に感じる魅力

登山に行くと遠征することも少なくはないので、行った先々で観光することもできます。
行ったことのない土地に行って知らない場所を歩くのは楽しいし、見たことのない文化に触れるのも同じように楽しいです。時間の関係でひたすら高速を走り、山に登ったらそそくさと降りてまた高速に戻る、みたいなこともありますが、それもそれで良きかな、と思ってます。

観光の写真はほとんど撮ってないので残ってないんですが、今まで行った中だと宮崎の日之影町というところが素敵で印象に残っています。

山間にある小さな町なんですが、駅と温泉が合体してたり、町自体が昔の面影を色濃く残していたり、歴史も多くある町のようでした。そこまでじっくり見て回れなかったので、また今度行ってみたい場所No1です。日之影町が作っているTシャツも可愛かったのでいつか買おうと思っています。自治体のサイトも素敵なので興味がある方は是非見てみてください。
おかげさまで日之影ライフ

温泉に入って帰る魅力

山に登ると疲れるし汗もかくし、汚れるのでさっぱりさせるために温泉に入って帰るのはよくあることです。夏場とかは普通に気持ちいいですが、特に最高なのは冬場です。寒くて疲れて固くなった体を温かい温泉がほぐしてくれるあの瞬間はやみつきです。

山に行った帰りは最寄りの温泉へ是非立ち寄ってみてください。僕はくじゅうに行くと星生温泉 山恵の湯に必ずと言っていいほど立ち寄って帰ります。三俣山を見ながらゆっくり温泉につかれる贅沢な瞬間です。

楽しい半面、登れないものは登れないと気づく

ハマるきっかけとなった裏英彦山の後にも友人に頼んで色んな山に連れて行ってもらいますが、後になって知るとそれなりの難易度のルートに連れて行ってもらっていたらしく、そうなるとヒヨッ子同然の自分の実力では全然思うように登れないことを思い知らされてしまいます。

ここから生活が変わっていきました。自分の知らなかった色んな山やルートがあることを知り、今の自分で登れるのかということを意識するようになり始めました。別に山に登れなくても生きていけるのに、登れない時には悔しさを感じて、それが自分の生活の中の挑戦の対象になってしまい、山が頭の中にずっと居座り続ける状態です。

この時の「もっと登れるようになりたい」という動機がかなり強いモチベーションを生んだのか、2年近くずっと続いているし、トレーニングも全く苦にならない、といういい循環を作ってくれました。

事実、自分が変わることでパフォーマンスが上がっていくのを感じるし、それが楽しくてさらに続けてしまう、というループにハマっているのが登山の恐ろしいところだなと思っています。山に登るのは楽しい。そして奥が深い。

自分を改造し始める

そんなこんなで自分を変え始めるのですが、以下の2つが自分の中で大きな取り組みでした。

  • 経験を積む
  • 自分を変える

経験を積むのは山に入れば勝手に溜まっていきます。だけど、どんな山やルート、条件で登るか、というルールがついてきます。当然難しいルールになるとレベルの低い自分では攻略できないので、自分改造を始めることになります。

改造と言っても、自分を軽くすることが最優先、減量しつつ体力をつけることに取り組みはじめました。食生活の見直し、摂取カロリーの制限、走り込みと筋トレを継続して行いました。この2年で最大で82kgあった体重は64kgまで落ち、軽装備の場合1日10時間ほどかければ移動距離は25km程度、累積標高だと2400m程度なら問題なく行動できるくらいの持久力と筋力もつきました。こんなに変わる事を想像していなかったので、こうなってくると自分でも予想外すぎて楽しくなってきます。

ただ、なぜこんなに頑張って減量したか、というのには理由があって、そんなに潤沢な予算がないので僕は軽い装備を買い揃えていくことができません。軽さをお金で買うことが難しいんです。そもそも登山ギアは高価なのです。そうすると自分を軽くするのが手っ取り早いのと、せっかく軽い装備を買ったとしても自分が重くなってしまうと意味がない。なので頑張って自分を軽くすることに力を入れました。軽くなればなるほど登攀能力もあがっていきます。

そして軽くなっていくのと同時に難易度の高い山行に挑戦していきました。去年は沢登りに参加させてもらったり、クライミングにも挑戦させてもらいました、あとは単独での長距離ハイクに挑戦したり、厳冬期の雪山に連れて行ってもらうなど、できることはどんどんやってみる、の精神であれこれと手を伸ばし続けました。

そして今年に入ってからは北アルプスに行くためにボッカ(重いものを担ぐトレーニング)ばかりやっていて、今年のはじめには15kgからスタートしたものが最終的には25kgまで担げるようになりましたが、30kgまで担げるようになれ、と言われているので次はそこに挑戦します。

減量してよかったこと

これは完全に余談ですが、軽くなると体型が変わるので昔着ていた服がまた着れるようになりました。嬉しい。あと、体が軽いので起き上がるのに苦労しない、とか日常的な変化もありました。そして、胃が小さくなったのか暴飲暴食が少なくなったような気がしています。

自分を軽くするのオススメです。健康診断の結果も劇的に改善します。ついこの間受けた健康診断では、激減した体重を見た先生から病気じゃないですよね?と確認されました。こういう事も起こります。

あとは長年悩まされていたホットフラッシュ?という現象がほとんどなくなりました。たまーーーに症状が出るけどほぼゼロと同じと言える状態です。ただ、最近感じるデメリットもあって、寒さに弱くなりました。ちょっと冷房の効いた建物などに入るとすぐ寒くなります。

ちょっと前までは一年中半袖で過ごしていて、12月の寒い中、半袖で会社近くのコンビニに行く途中に総務のNさんとすれ違った時に「頭おかしい人がいるかと思ったw」と言われたのはいい思い出です。でも頭おかしいとか言われるのは慣れてるので全然気にしてません。

頑張ってよかったと感じる瞬間がある

山行の中で、自分のレベルが上がって1つ向こうの壁が見えてきたのを感じる時は、本当に頑張ってよかったと感じる瞬間です。

プライベートでこんなに自分を追い込んで挑戦するというのがそもそも初めてのような気がしていて、自分でも完全に頭がおかしいと思われる(思われている)のは自覚していますが、それでも頑張ったことで報われたと感じるのはいくつになっても嬉しいものです。

頑張ってトレーニングして、クリアできるところまで自分を引き上げ、見事達成できた時の喜びと充足感は未だに忘れることができません。頭がおかしくなるきっかけになった山行をいくつか紹介したいと思います。

沢登りとかクライミングは省略します。ちなみに初めてクライミングに連れて行ってもらった時に20mくらいの絶壁の上にロープで繋がれて半身投げ出せと言われて、死ぬ、と思った事を一生忘れないと思います。普通に震えたし頑張るとかそんな次元ではなかった。今は慣れたし仕組みを理解したのでなんとも思わない。

くじゅう連山 1day17サミッツ

くじゅう連山が好きな人なら一度は聞いたことがあるだろう17サミッツ。イチナナサミッツと呼びます。

くじゅう連山の主要な1700m級のピークをすべて巡るというコースで、これを1日で歩き切ります。別に1日じゃないといけないという決まりはないですが、僕は1日で歩きます。これくらいできないと北アルプスは歩けないという思いがあったからです。でも、単純に憧れ補正が強すぎるだけで実際はそんなことはないです。移動距離24km程度、累積標高2400m程度のコースを大体10時間で歩いていきますが、後半に300〜500mの標高差を2連続で乗り越える、なかなかのハードさを強いられるコースです。

友人いわく高確率で失敗すると思った、というのを挑戦が終わった後に聞きましたが、当の本人も途中で諦めようとしたくらい当時の自分にとっては過酷でした。

17サミッツ、ハードだけど楽しいですよ。色んな山を巡って景色が次々に変わっていく様子は壮観です。ただ、1日で歩くのにこだわる必要はないから、天気と相談して坊がつるとか法華院温泉山荘とかに泊まりつつ、2〜3日で好きな山を順に巡っていくのも絶対楽しいと思います。そうすると無理なく楽しみながら歩けると思います。そして、もうすぐ紅葉の時期だし大船山に行くのがよさそうですね。

九州最後の秘境 大崩山

九州は宮崎県、延岡市の山深い山域にある大崩山。おおくえやまと読みます。ちょっと前に人気テレビ番組イッテQにも出ていたこの山は、九州最後の秘境と呼ばれ、九州で最も難しい山、という風にも言われています。初心者が1人で行くのは推奨しません。経験者がいた方がいいと思います。

ハシゴが多く出てくる、水量の多い川を渡渉する、アップダウンもそれなりにキツい、危険個所も多い、実際に歩いてみて簡単なルートではなかったですが、途中に待つ絶景を見れたことでここまで歩いてよかった・・・!と思えるそんな瞬間がありました。

ちなみにこの山、西南戦争に敗れた西郷隆盛が敗走の経路として使ったことでも知られているらしく、こんな所に逃げ込まれたら追いかけるのやだろうなと思う、そんな山です。僕だったら追いかけたくないです。厳密には大崩山の中は通ってないみたいですが、登山口の近くに野営した場所があるそうな。

次に目指していること

先月ついに憧れの北アルプスへ行ってきました。小屋泊での3泊4日の縦走です。

上高地〜槍沢ロッジ〜槍ヶ岳〜大キレット〜奥穂高岳〜ジャンダルム〜奥穂高岳〜前穂高岳〜上高地、というルートを計画していましたが、天候の影響で一番楽しみにしていた大キレットとジャンダルムを断念せざるを得なかったので次はテント泊でこの2つを攻略するために北アルプスへ行きたいと思います。表銀座も歩きたいし、いつか北鎌尾根にも挑戦したい。

そして、直近の課題で行くと、来年の春くらいに脊振山系全山縦走を行いたいと思ってます。東西に70km、累積標高5000mくらいのコースを1泊2日で歩き切ろうと企んでます。最近はアメリカでPCTという超ロングハイクに挑戦してる方々をSNSで見たりと、羨ましい限りなのでとにかく近場でできそうなロングハイクに挑戦してみようと思っています。

自分的にもようやく登山が趣味といえるレベルになってきた感じでしょうか。

そして最近ビヨンド・リスクという本に出会いました。世界のトップクライマーのインタビューが掲載された本ですが、一気に上の世界を見せられてしまいまた変なスイッチが入りそうです。多分もう入ってますが。その影響で自分の限界に挑戦できそうなことをひらめいたので、またトレーニングに力を入れようと思います。

山に登っていると1年が過ぎるのが早い

山に登り始めると1年が過ぎるのがあっという間だと思うようになりました。山に行くたびに課題が見つかり、それをクリアするために自分を改造して、また登って、を繰り返していると簡単に時間が過ぎていきます。

夏は沢に入ったり、冬は雪山に入ったり、春や秋も季節の景観を楽しんだりしながら歩こうと思うと、旬の時期はあっという間に過ぎ去るし、それに合わせて準備を進める期間なんてあってないようなものだと感じるようになりました。時には山の上でゆっくりコーヒーを飲みたいし、写真を撮りながらゆるっとトレッキングもしたいし、トレーニングもしたい。会社の登山部でワイワイ言いながら登るのも楽しいし、まだまだ楽しみたりません。月の半分くらいは山に登っていたい。

そういえば先日行った北アルプスで、早朝の穂高岳山荘でナイスなオジサマと話したら、「3泊4日じゃいい瞬間にありつくのは難しいかもね、1ヶ月くらいは滞在してもいいんじゃない?」と言われ、その通りです。と思ったけどほんとにそんなことをすると限度を考えずに山に入り続けるので色々とダメになってしまう可能性が高いからそれはまだやめておきます。1ヶ月あったら北アルプス全山縦走とか現実的なんだろうか。補給とかどうすればいいんだろ。

なんにせよ1年が早いので山に登れる時はちゃんと登って、休む時は休んで、というサイクルを意識して登山を楽しんでいきたいところです。

最後に

ハマってしまったからにはそう簡単に抜けられない。まだまだ登っていない山があるし、実は九州にある日本百名山も半分くらいは未踏です。百名山だけが魅力的な山だと思ってる訳ではないんですが。
屋久島なんてそう簡単にはいけないし、宮之浦岳に行くのはいつのことになるんだろう。くじゅうが好きすぎて大体山に行く計画を立てる時にくじゅうが頭をよぎるのでついついくじゅうに行ってしまいます。

鹿児島の開聞岳も遠いし、パッと気軽に行ける距離ではないし、福岡から南へ移動して少しずつ北上しながら名山を踏んでいくのがいいんだろうか。祖母山も傾山もまだ行ったことがないし、脊梁山地にもろくに入ったことがない。まだまだ楽しむことはたくさんできそうですね。

こういう記事を見て、Webで記事にしたいので、山に登りながらインタビューさせてくれませんか?とか言ってどこかの誰かがオファーしてくれたりしないものだろうか。そうすれば仕事として誰にも文句言われず合法的に山に登れそうな気がする。多少なりとも体力には自信があるし、少なくとも健脚の部類だと思うので一般登山道だったら大抵大丈夫なはずです。

趣味全開の記事をここまで書いていいものだろうかと思いつつ最後まで書いてしまったけど、ウチの会社なら公開してくれることでしょう。きっと大丈夫。次からはデザインに関することを書いていくつもりですが、この熱はまだしばらく冷めそうにないので、みんなに呆れられながらまた山のことを書いているかもしれません。

その時はどうかご容赦を。

載せきれなかった写真を供養

色々写真はあるんですが、どこまで載せようかなと思いつつも作るものは作ってしまったので供養します。画像載せすぎだろ、と自分でも思うけどCDN使ってるから多分大丈夫と信じます…

Written by アラツ ケイスケ

ユニットリーダー / Webデザイナー / ディレクター
好きなことが出来たらその事しか話さない。その事しか考えない。そして全力投球する極端な人間。
けど変なところで神経質。心配性。山にいる間は全部忘れることができる。縦走太郎になりたい。

ブログ:AFTER HOURS
Youtube:AFTER HOURS
インスタグラム:アラツ ケイスケ