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アクセシビリティカンファレンスの初開催を経て、サスグロチームのこれから

誰もがどんな状況でも使えるサービスの仕組み「アクセシビリティ」に特化したメンバーが揃うサスグロチーム。ウェブ制作だけにとらわれず、「サステナビリティ(継続)」と「グロース(成長・推進)」に向けた取り組みを実施していくという目標を掲げたチームです。
2023は、コロナ渦以来となる大規模イベント「アクセシビリティカンファレンス福岡2023」にチームで携わるなど初めてのことにも挑戦した一年でした。
アクセシビリティカンファレンスで実行委員長を務めた平尾さん、運営やブース出展に携わったメンバーに、現地で感じたことや今年の抱負を語ってもらいました。

インタビュー・文/立石(エディトリアルディレクター)

【アクセシビリティカンファレンス福岡2023】

2023年11月11日開催。初の開催にも関わらず、20社が協賛し、現地参加のチケットも即日満席。オンラインの配信の視聴者も含めると600名以上の方にご参加いただき、アクセシビリティへの注目度の高さを実感できるイベントとなりました。

昨年はカンファレンスをお疲れさまでした!
感想や心に残っていることはありますか?

平尾:実行委員長として無事に終わって良かったなぁーと心底ほっとしています。
トラブルが起こらないかずっとそわそわしつつ、配信の確認もしつつ、登壇者の話も聞きながら、SNSの盛り上げもやって、始終お腹が痛かったですね。
登壇者の話を聞いていたはずなのに、終わった後「すごく良い話をしてくれた!」という結果だけが残って、アーカイブで話の内容を思い出すという、当日はパニクってました。

坂井:今、お仕事をさせていただいているお客様が福岡まで足を運んでくださったんですよ。しかも北海道から!ディーゼロが提供している価値をお客様が認めてくれて、且つ、お客様自身も前のめりに参加してくれてる。これって、伴走型のサポートをしているディーゼロの取り組み、サスグロチームの活動の成果の表れかなと思いましたね。

平尾:特にお知らせしたわけじゃないんだよね?

坂井:はい。本当はもっと色んな人に声かけたかった!

平尾:現地枠のチケットが1日で埋まってしまったのはうれしい誤算だったな~。

渡辺:私は、スポンサーブースや懇親会で色んな人と話せたことがすごく良かったなと思っています。
デザイナーさんだったり、まったく別の業種の方だったり、お話した方の中には「アクセシビリティを頑張っていて、社内に広める最中」とおっしゃっている方もいて、アクセシビリティに関心を持っている人がこんなにいるんだ!と、実際に感じられたことが良かったです。参加されていた他の方も同じことを言っていてすごく印象的でした。

小出:久しぶりにこういうイベントに参加できたなあという感想ですね。以前と同じように色んな人の話が聞けて取り戻す体験ができて良かった。新しい人はもちろん、久しぶりに会えた人が多くって、そういう意味ではアクセシビリティへのテンションが高いなあと思いました。

平尾:全国でもアクセシビリティのリアルイベントが2019年ぶりだからね。アクセシビリティの祭典とJAC(Japan Accessibility Conference)以来だと思うんだよね。

小出:年齢層も広くなったかなと思いますね。
以前は障害のある方をサポートする、当事者に近い立場の人が多かったように思います。でも今回は幅広く、興味のある学生さんとかがドンって来られている感じ。いろんな目的の方がいるのが当たり前の風景になりつつあるようで、人が増えるって本当に良いことだなと思いました。

平尾さんが実行委員長になった経緯、
サスグロチームの関わり方を教えてください。

平尾:今までアクセシビリティのあの規模のイベントは神戸を除いて地方ではほとんどなかったはず。小規模のものはあったけど最近の人は知らなかったり、コロナだったりしたから、まさかみんなアクセシビリティのイベントをやるなんてと思ってなかったんじゃないかな。
アフターコロナの時期になって、アクセシビリティに興味を持つ人が爆発的に増えた印象があって、でも受け皿となるイベントが地方ではほとんど行われていない。
元々、カンファレンスをやりたいというのが平尾の中にはずっとあって「やっちゃえ」と開催へ踏み切りました。
「できちゃうんだったら、やっちゃった方が絶対楽しいじゃん」。そんな感覚がモチベーション。来てくれた人も絶対に喜んでくれるという根拠のない自信もあったので、やろうと提案したし「福岡でできるんだったら名古屋もできるよね」と名古屋の人にもけしかけました。

坂井:アフターコロナは本当にポイント。デジタルでコミュニケーションが完結できるようになった。これが障害を持った方とか高齢の方だけでなく、みんなもアクセスしずらさを感じたと思うんですよね。そこでユーザー全体の意識が上がったし、法改正もあって事業者の意識が一気に上がったという。
アクセシビリティという言葉が注目されだしたのはここ数年ですけど、これまで長くアクセシビリティに関わってきた人からしたら、イベントのようなもので実感してもらうというのが一番良いですからね。

平尾:うん、今回のカンファレンスのテーマを「ここにいる。」ってしているんだけど、いるよね?やっぱいたよね?って確認の意味みたいなのもあって、本当はすごい興味のある人が増えているのに実感できないモヤモヤをカンファレンスで一気に晴らしたかった。
アクセシビリティってもしかしてデジタルやSNSだけで盛り上がっているんじゃない?とみんな心のどこかで感じていたと思うんですよね。

渡辺:いるはずなのに実感できないというのは本当にその通りで、私自身ディーゼロに入るまでアクセシビリティをやっている人、興味がある人が周りにいない状況でした。
このユニットでブース出展できたこともそうですが、やっぱり、来場してくださったの方々と対面して、頑張っている人がここにたくさんいるんだと実感できましたね。

平尾:そうだよね。
開催までの流れについては、まず、カンファレンスやろうと社内には誰にも相談せずに1人で決めました。その後、スポンサーお願いしますって社長の矢野さんに言って、定例で坂井さんたちに「カンファレンスやるんで、でも、実行委員長で細かいことは何ももできないと思うからスポンサーやブースの件は任せた」って丸投げしたのが最初です。

坂井:まあ、でも、サスグロチームとしては、開発中のアクセシビリティeラーニング「アクセシビリティマスター講座」を告知する絶好の機会と思ったんですよね。
まず坂井が「決定しなければいけないこと」を対応して、進行やディレクションは小出さん担当で、毎週定例でアジェンダを挙げて、管理してくれましたよね。
渡辺さんは、現場の準備や事務局との連携。現場の準備や細かいチラシが何枚届いて~みたいな細かいやり取りをやってくれていました。
その他、総務をはじめ、社内メンバーにも、パネルやノベルティの作成などでサポートをお願いして、会社を巻き込んで参加したって感じだったなあ。
 

今年の抱負、チームで挑戦していきたいことは?

平尾:実行委員長としてはいろいろ考えています。たくさん楽しいことをしようとしています。期待をしてほしいし、楽しみにしておいてほしい!まだイベントが終わったばかりで何も決まっておらず、詳しくは明かせないのですが…。
ディーゼロのとしてはもっといろんなイベントへのスポンサードを大々的にやっていきたい。今後色んな所に出展できたらいいなあと。そのためにノベルティも多めに作っているんだし。アクセシビリティの祭典があったらそういうところにも。
「ウェブをもっとアクセシブルにすることをサポートをしている」また、「アクセシビリティの啓発をしている人たちを支援している」そういう会社だということも多くの人に知ってもらいたい。そういう意味でもっと目立っていきたいです。

渡辺:アクセシビリティはまだまだ学んでいく分野がたくさんあるので、そこを学んでいくものあるのですが、今、見ているアクセシビリティの範囲が主にウェブなので、それ以外のアクセシビリティ、例えば、交通や映画、演劇だったりと、リアルのアクセシビリティにも視野を広げていきたいなと思います。ディーゼロはウェブ制作会社ではあるけど、他を知ることでビジネスにつながるし、色んな人に出会えるのではと思います。

小出:渡辺さんのいう通り、IoT家電(スマート家電)以外にも、タッチレスインターフェース(非接触型)を持つデバイスや設備も広がってきています。私もこれまで以上に実体がある「もの」と、デジタルをつなぐアクセシビリティが必要だと感じます。
以前、当事者の近くにいたこともあり、そういった場所でもリアルでのアクセシビリティが必要な場面が多くあったので。
何かやることができたらと思いますね、まだだいぶ遠いんだけど~。

坂井:さっきも言ったんだけど、北海道からお客様が来てくれたことが本当にうれしくて印象に残っています。でも、まだまだお客様の参加が少なかったなあとも思うんですよね。今回のカンファレンスがディーゼロのやってきたことが見える場でもあると思うので、今後影響が広がっていくと良いなと。
内輪だけで終わらせないというミッションを感じています。他の会社ではできなかった部分もリードして、社会的な影響を出して良ければ良いなと思っています。

平尾:チームとしては、今回ご縁のあった人たちとお仕事できそうだなと期待していますね。実際一緒にやろうと言ってくれた方もいるので、そこはしっかりつなげたいな。

坂井:チームでの挑戦ね、挑戦というか、外に向けたアウトプット、情報を発信するというとこに挑戦していきたいかな。「これはこう!」と答えを出すという発信ではなくて、社内のナレッジとかみんなが持っている知見を発信していくような、っていうのみんなどう?

平尾/小出:うん!

渡辺:チームとしての発信はやらないといけないなと思いますね!

坂井:アクセシビリティというと専門家の登壇やセミナーがぱっと浮かんでくるけど、アクセシブルにするために実際にやったこと、具体的なアクションが見えないことが多いなと思っていて。
だから、カンファレンスや日々の業務で経験を積み、課題解決に向かって泥くさく動いている「ディーゼロのサスグロチーム」を、もっと知ってもらいたいかな。

平尾:確かに。色んな人が絡んでいる故に実際の話ができないからマインドセット的な話で終わってしまうけど、顧客が求めているのは具体的なアクションが見える、だよね。

坂井:制作会社ならでは幅広い実績を出していけるように、企業さんも巻き込んでいきたいですね。とにかく実績を増やす!

平尾:失敗したら失敗したでいいよぐらいの気持ちで、色んなアプローチをやっていこう。

 

今年は、アクセシビリティカンファレンス名古屋、アクセシビリティカンファレンス福岡2024の開催が決定。「仲間は近くにいるのだろうか」という実感を求めて福岡で始まった「ここにいる。」の思いは全国へと広がっています。

 

アクセシビリティカンファレンスの最新情報は以下をチェック
アクセシビリティカンファレンス福岡公式X:https://twitter.com/FukuokaA11yconf
アクセシビリティカンファレンス名古屋公式X:https://twitter.com/NagoyaA11yconf

取材に登場したサスグロチームのメンバー

アクセシビリティスペシャリスト、フロントエンドテックリード。
アクセシビリティカンファレンス福岡を、福岡の勉強会仲間たちと有志で主催。
たくさん楽しいことをしていく2024年、乞うご期待。

企業や行政のアクセシビリティを支援する「サステナブルグロースユニット」のリーダーであり、デジタル施策のアドバイザー。
Kaizenグループとして、DXにおける組織の課題や、目的に寄り添う、柔軟なアクセシビリティソリューションを提供・発信します。

アクセシビリティスペシャリスト。
ジェネラリストでスペシャリストを目指して日々研鑽中。
猫と文鳥と活字で生きています。

ディーゼロのアクセシビリティエンジニア。
コーディングとアクセシビリティ、猫が好き。
ウェブからリアルまでどんどん視野を広げて、色んな人と出会いたい。

Written by 立石

エディトリアルディレクター。
2024年は初めての挑戦として
①二郎を食べる
②テキーラを飲む
③文学フリマに出る にチャレンジしていきたい。