無駄読書のススメ
無駄読書とは
みなさんは無駄読書という言葉をご存知ですか。
きっと知らないと思います、先ほど私が考えました。
はじめまして!ディーゼロのWEBデザイナー、田中と申します。
学生の頃と比べると、読書量がぐぐぐっと減りました。
集中力が続かない、時間も足りない、睡眠時間を削ると翌日大いに支障をきたす。
他の趣味や遊びもしたい。
それでも読書を趣味としているのは「無駄読書」のおかげです。
「無駄読書」とは「仕事や生活の役に立たない本を読むこと」です。
実生活と切り離したところに意識を置くことで現実逃避ができて、リラックス効果が得られると私は考えています。
今回はそのワケと実践方法をご紹介したいと思います。
なぜ読書なのか
無駄読書がどうして現実逃避やリラックス効果があるのか、それは以下に挙げる読書の優れている点が現実逃避とリラックス用のツールとして「ちょうどいい」からだと考えます。
1.時間や場所を選ばない
対して読書は電車、ベッド、会社の休憩時間、トイレなどいつでもどこでも好きなタイミングで読むことが可能です。
2.他のことを考える余裕がなくなる
文字の世界に入り込む必要があるので他のことを考える余裕が無くなります。
3.内容が事前に分かる
対して、本は立ち読みが可能です。パラパラとめくって本当に興味のある内容が書いてあるか、読みやすさはどうかなど事前に確かめることができます。(小説の場合ネタバレ注意)
そのため、「ガッカリ」「面白くなかった」というリラックス効果を削ぐ感情になりにくいのです。
4.中断・読み飛ばし・後戻りが可能
動画鑑賞に比べて、本は取り扱いが自由です。中断するのは本を閉じるだけ、読み飛ばしはページをめくるだけ、後戻りや異なるページを交互に見比べることも簡単です。
要求が簡単に叶えられ、とても自由で手軽だと思います。
なぜ読書なのか:まとめ
以上の、1.時間や場所を選ばない、2.他のことを考える余裕がなくなる、3.内容が事前に分かる、4.中断・読み飛ばし・後戻りが可能 といった読書の優れている点が、「ちょうどいい」と考えています。
読書の手軽に没頭できてリスクもストレスもない点が、現実逃避とリラックス効果に適していると思います。
本の選び方、本の読み方
以下を間違えると、現実逃避とリラックス効果は得られません。
1.本の選び方
a.本屋で選ぶ(紙の本推奨)
本屋に行き、店内を散策します。普段見ないジャンルの棚にも行ってみましょう。
何となく気になるタイトルを手に取ってみるのがオススメです。偶然の出会いから無駄読書は始まることが多いです。
読みやすいかどうかもチェックしておきます。
一般的に面白いとされている本でも、筆者の文章のクセが気になってスムーズに読めないことがあります。自分の直感を頼りましょう。
b. 仕事や実生活に関係のないものを選ぶ
冒頭でも述べましたが仕事や実生活に関係のある本は無駄読書に向きません。
やはり仕事や実生活のことを連想し、気持ちが現実に向かってしまい、現実逃避にならないのです。仕事や実生活に関係のないものを選びましょう。
c. 漫画や小説などエモーショナルなものは選ばない
漫画や小説が面白すぎてついつい夜更かしをしてしまい、翌日の仕事が辛くなったり、昼夜逆転してしまったりした経験は誰しもあると思います。
時間を忘れて読みすぎてしまうものは無駄読書に向きません。
2.本の読み方
a. 学ぼうとしない、アウトプットをしようとしない
本から学び取ろうとしたり、人に共有したりしようと考えながら読もうとすると、文字を読むこととまとめることを同時に行ってしまいます。
無駄読書では副産物を得ようとせず、ただ読み続けることが大切です。
1文字1文字を楽しみましょう。
b. 長時間読まない
繰り返しになりますが、長時間集中して読むと疲れてしまいます。
1ページ読んで中断しても良いくらいの気持ちで読みます。
「これだけしか読めていない」と悲観しないためにも、仕事や実生活と関係ない本がいいのです。
本の選び方、本の読み方:まとめ
上記で挙げた本の選び方、本の読み方を参考に、あなたにとってぴったりの本を探して読んでみてください。
ちなみに、本屋の普段見ないジャンルの棚に行って理解不能なタイトルを眺めるのもなかなか楽しいです。
無駄読書の紹介
これらの本は私にとって現実逃避・リラックスできた本なだけですのでオススメはしませんが、仕事や実生活の役に立たないことが分かると思います。
著者の今和次郎が1923年(大正12年)の関東大震災後にバラックをスケッチしたことから始まった考現学。
都市風俗観察の学問の成り立ちを追いながら、たくさんのスケッチや記録が紹介されています。
ある大学の講堂にいる学生の髪型のスケッチと分布の図を見て、「何の役に立つんだ!」とびっくりしました。
他にも観察対象は和服洋服の割合、髭の形、学生の部屋の持ち物、足袋の色、欠けた茶碗の様々な亀裂なども!彼を変人・マニアックと言ってしまうこともできますが、丹念なスケッチを眺めているとヒトと生活への温かな感情が湧いてきます。
- 無駄知識★★★★
- 現実逃避★★★★
- リラックス★★★★★
写本の制作方法を史実研究に基づいて淡々と解説している本です。
美術館で写本を見ることはありますが、知識もなく「皮なんだなぁ」「細かい柄だなぁ」「間違えずに書くなんてすごいなぁ」とぼんやりとした感想が浮かぶだけでした。その3点については「羊皮紙」ではなく仔牛の皮も使う、細かい柄のないものもある、間違えてたら削ったり装飾を加えて訂正するといったことが分かり無駄な知識をアップデートすることができました。
- 無駄知識★★★★★
- 現実逃避★★★★★
- リラックス★★★
私自身、子供の頃は辞書を読むのが好きだったのですが母親に「いやらしい」などと言われて嫌な思いをしたものですが、やはり辞書を読むのは面白いと昔の自分を肯定する気持ちになれました。
何より、新解さんのちょっと大胆で、可愛げもあり、秘密の過去もある複雑な人間性に引き寄せられます。
- 無駄知識★★★
- 現実逃避★★★★
- リラックス★★★
無駄読書は楽しい
役に立たないことでも評価されるのですから、役に立たない読書も良いものなんだなと思ったものでした。
知りたい・必要な情報はすぐ入手できますが、役に立たない・不必要な情報も日常に取り入れてみませんか。
無駄読書で現実逃避とリラックスを得て、実用・効率・結果を求められる日々からほんのちょっと開放されましょう。