アクセシビリティカンファレンス福岡2025 今年も参加しました!
今年も「アクセシビリティカンファレンス福岡2025」が開催されました!
ディーゼロは今年もスポンサーとして参加し、ブースを出展!今年で3年目を迎える本カンファレンスの様子と、私たちの取り組みをご紹介します。
カンファレンスってどんなイベント?
ウェブアクセシビリティに関心を持つ人たちが一堂に会する年に一度のイベント!
デザイナー、エンジニア、企業の担当者、障害のある当事者の方など、さまざまな立場の人たちが集まって、アクセシビリティについて学び、語り合います。
「つながるせかい」をテーマに掲げた今年のカンファレンス。分野や立場を越えてアクセシビリティについて考え、学び合う場として、今年も多くの参加者が集まりました。
12月6日、福岡が「つながった」一日
当日、福岡市内の警固神社社務所ビルは、たくさんの参加者で賑わっていました!
会場には、デザイナー、エンジニア、企業の担当者、学生など、さまざまなバックグラウンドを持つ方々が集まっていました。福岡だけでなく、他県から来られている方もたくさん!
各セッションでは、登壇者の方々の豊富な経験やお話が共有されて、参加者の皆さんは熱心にメモを取りながら聞き入っていました。
制作現場のリアルな話には「わかる!」と共感の嵐。特に、実際に障害のある当事者の方のお話を直接伺える機会は貴重で、会場全体が学びの熱気に包まれていました。
YouTube配信の工夫
セッションの内容を通して、難しさや必要性を実感!
「アクセシビリティでつながるせかい」(岡上 洋子)
今回のセミナーで特に印象に残ったのは、岡上洋子さんの言葉や振る舞いそのものが「アクセシブル」になっていたことです。
ご自身のアイコンを紹介するとき、まるでaltテキストのように「服はピンクで、髪は今よりもう少し短くて…」と丁寧に説明されていて、その自然さに驚きました。意識しているというより、もう生活の中に溶け込んでいるんだと感じました。
また、「自分の当たり前を当たり前だと思わないこと」という言葉が心に残りました。障害のあるなしに関係なく、人によって感じ方も必要なサポートも違う。それに気づき、更新し続ける姿勢こそがアクセシビリティなんだと気づかされました。
今回のお話を聞いて、まだ知らないことも出会っていない人もたくさんいることを改めて実感しました。
学び続けること、その余白を持ち続けることが大事だと感じました。
「WCAGと先行する海外からの学びを実践につなげる」(植木 真)
WCAGを中心に展開された本セッション。実際にJIS規格やWCAGの基準策定に関わっている植木さんのお話は、会場にいた私たちにとってもすごく新鮮でした!特にWCAG 3.0の壮大さには、思わずワクワクしてしまいました。
特に印象的だったのは「Accessibility is Political」という言葉。
色味の選択ひとつとっても「誰を優先し、誰を排除するか」という意思決定の問題。私たちが日々の仕事で無意識にしている判断が、画面の向こうにいる人の将来を左右するかもしれない。そう気づいて、ハッとさせられました。
対応優先順位やリソース不足など、アクセシビリティ対応の課題って、海外でも同じのようで、なんだか親近感が湧きました。
「完璧主義ではなく、まずは前進を」。この言葉、制作の現場で働く私たちにとって、すごく響きました。
ディーゼロブースはノベルティの配布やCM動画配信をおこないました!
冊子は最新情報に合わせて内容をアップデート!
また、ディーゼロは今年で25周年になりましたので、そちらを記念しての25周年グッズセットも配布しました♪ そして、今年は新たにマルチクロスが仲間入り。実用的で持ち帰りやすいノベルティとして、多くの方に喜んでいただけました。
去年も社外共に好評だったTシャツ、今年は白verを作っています!そしてなんとこのデザイン、suzuriで色んなグッズとして買えちゃうんです。
AIで挑戦!CM動画制作の舞台裏
今年特に力を入れたのが、当日スポンサーブースや、セクションの合間に流れるアクセシビリティ研修のPR動画制作でした!
昨年はporta11y(ポータリー:ディーゼロのアクセシビリティポータルサイト)の宣伝動画でしたが、今年はディーゼロが提供する「アクセシビリティ研修」をテーマに、イチから新しい動画を作ることに....
なんと、今回はAIを使ってカンファレンス実行委員のゆうてん(平尾)とサスグロちゃんがキャラクターアニメーション化!音声などもAIで作り込みました。
ちょびっと舞台裏紹介!動画制作について
実写の「アクセシビリティ研修」の様子を撮影し、AIにて作成した動画と合体。
アニメーションと合わせて調整をしています。
動画・音声ともにAIを活用しての制作に挑戦!
音声生成は、三隅さんと日高さんが担当し、声質や細かなイントネーションの調整に特に苦労されたようです。
似た音声を何度も生成しながら、編集段階で一部の音声を組み合わせて微調整を行ったとのこと。
例えば「ゆうてん」が「言うてん」に聞こえてしまったり、「何々向け研修」が「何々ボケの研修」に聞こえてしまうなど、わずかな違いにも細心の注意を払って調整を重ねたそうです。
また動画生成・全体の編集は、野村さんと七瀬さんが担当しました。
動画については、トータルで150本以上を生成…!
キャラクターの外見に微妙な差が出てしまったり、セリフと口の動き・ジェスチャーが合わない場面も多く、複数の動画をつなぎ合わせる工程が特に大変だったようです。
今回の制作は、こうしたAIを使った表現に初めて挑戦するメンバーも含まれており、
企画から完成までチーム全体で知恵を出し合い、最後まで細部にこだわって仕上げたそうです!
企業ブースに足を運んでいただいたみなさまからは、
「AIゆうてん、実物とそっくり!」
「これ全部AIですか!?すごい!」
など、たくさんの方からご好評の声を頂きました!
現場で感じた、アクセシビリティの「つながり」
木暮
今回、初めてアクセシビリティカンファレンスに参加しました!
ディーゼロに入社してからアクセシビリティを学び始めたのですが、実際に視覚障害の方の見え方を体験できたり、さまざまなセッションを通して、多くの学びを得ることができました。
特に、「誰もが安心して、使いやすいサイトをつくる意識」を持つことや、「自分の当たり前を押し付けない視点」の大切さを、あらためて実感しました。
まだまだ知らないことも多いですが、今回得た学びを活かして、今後のデザイン制作でも“誰もが使いやすい”サイトづくりを意識して取り組んでいきたいと思います!
岩堀
昨年に引き続き、2回目の参加となりました。
昨年のテーマ「つぎはどうする」では次のアクションにフォーカスしていましたが、今年は「つながるせかい」。技術、考え方、コミュニケーション…様々な視点や方法で「つながる」セッションがたくさんあって、とっても楽しかったです!
普段はどうしても作業としてこなしがちですが、イベントに参加して障害のある方や他の制作会社の方のお話を直接伺うことで、アクセシビリティ対応の重要性をより実感しました。
この画面の向こうには人がいて、その人の将来につながっていく。そう考えると、すごく感慨深いものがあります。
今回のカンファレンスで学んだことを活かして、これからも一人ひとりに寄り添ったものづくりを大切にしていきたいです。
あとがき
「つながるせかい」をテーマに掲げたアクセシビリティカンファレンス福岡2025。
AIを活用したCM制作では、新しい技術の可能性と課題の両面を学ぶ、貴重な機会にもなりました。
アクセシビリティは、特別な誰かのためのものではありません。 年齢、障害の有無、使用環境に関わらず、すべての人がウェブサイトやサービスを利用できる社会を実現するための取り組み。
その想いが、アクセシビリティの根幹にあります。
ディーゼロは、これからもアクセシビリティの向上に取り組んで、「つながるせかい」の実現に貢献していきます。 来年のカンファレンスでも、また皆さんとお会いできることを楽しみにしています!