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オレKaizen Project ~美に挑む男と7人の女たち~ 第五話

第五話最終話「Beautiful World」

ここまで、ユニット今村のメンバー達は撮影の打合せと準備を重ねてきた。
コンセプトや服装、ヘアメイク、撮影当日のタイムスケジュールなどを綿密に。
コンセプトがあるから撮影時に生まれるアイデアも許容できる。

そうやってディレクションを行い、2方向の撮影をすることに。

  1. ビジネスに使いやすい、白シャツベースの「ちゃんとかっこいい」カット
  2. 美に目覚めた「花と今村(おちゃめなフラワーボーイ)」カット

ーー撮影当日

撮影現場のおしゃれサロンに向かう今村の心境といえば、緊張よりも恥ずかしさの方が上回っていた。
撮られる事に慣れていないし、自分のためにみんなが動いていることが申し訳なかった。

だが、処刑台に上がったエースの心境を思い出した。

どんな未来も受け入れる。もうジタバタしねェ、みんなに悪い

ワンピース(C)尾田栄一郎/集英社

今村の行動原理は寝ても覚めても少年漫画なのだ。
便所で白シャツに着替え、促されるままナチュラル風味にメイクを仕上げてもらう。

その間に、カメラマンさんと立ち合いメンバーは着々と撮影の準備を進めていく。

事前準備をおさらいしつつ、カメラマンさんと現場で最終確認を済ませた後、いよいよワンポーズ目の撮影を開始する。

自然光を活かし、様々なポーズを試していくが、当然ポージングの経験などもなく、一旦ジョジョ的なポーズなどから処理していくが、当然ボツ。

しかし時間は限られている。照れてまともに撮れない被写体であってはならない。
そんな今村の気持ちを動かすのはやはりメンバー達と、共に良いものにしようとしてくれるカメラマンさんだった。

「良い!」

「おおぉ……」

「かっこいい」

お世辞でもそういうワードが現場でちらほらで出すと、今村もだんだん乗せられてきた。

カメラマンさんからも様々な要望やポージングの指示をもらい、仕上がっていく今村・・・・

そうしてたどり着いた、奇跡の一枚がこちら

少しおまけのアザーカット

続いて、「美に目覚めた花と今村(おちゃめなフラワーボーイ)」のカットへと移っていく。今村はまた便所でいそいそと花柄のシャツに着替える。
この撮影のために、今村が休日に古着屋を探し歩き、定員の女性に「カッコイイです」といわれて決めたシャツだ。この一言で金と気持ちが動くから不思議だ。

着替え終わるとまたメイクブースへ。そしてメイクさんには、そのシャツと「花」に負けない存在感をだすための変身を依頼した。
もちろん事前にイメージは伝えていたが、本当にこれでいいのか?と、彼女自身も経験のない方向性のメイクに、戸惑いを隠さなかった。

もちろん今村やメンバーの中にはビジョンがあったので、こちらサイドに迷いはない。

戸惑いながらも手を止めないメイクさんとは対照的に、今村は落ち着いていた。
というより、徐々に変身していく己を見ながら、静かに覚悟を決めていた。

思えば、ここまで長いようであっという間だった。
4月入社ほやほやの新入社員も巻き込んだ。巻き込んだというか割とメインで動いてくれた。
入社2カ月で、このプロジェクトや撮影の段取りをしたり、撮影現場に入れたりしたことは、彼女にとっても良い経験になったに違いない。

もちろん、他のメンバーも忙しく業務をこなしながらも、ここまで書いてきたこと以上に多くの時間をこのプロジェクトに費やしてきてくれた。
元々は前任のリーダーから引き継いだチーム。こんな少年ジャンプばかり読んでる今村をリーダーとしてあたたかく迎え入れてくれたメンバー達。

そんなメンバー達への感謝を今村はかみしめ、そして美の化身への覚悟を決めていく。

アザーカットのテーマは「花と今村」

花は生花が良いと考え、事前に、色味や形、大きさなどのイメージを花屋さんに伝えて発注していた。
そして当日、イメージ通りのものが届けられた。限られた予算の中、生花でイメージ通りのものが揃ったことは大変ありがたい。

花のディレクションなど中々経験ができない作業。このプロジェクトはどれほどの新しい経験を私たちにもたらしてくれただろうか。

そして今村 vs 花の戦いを、カメラマンが切り取っていく。

 

もっと、もっと……

 

仕上がっていく花と今村……

 

 

おまけのアザーカット

立ち合いメンバーはその時の様子をこう語る。

「そうですね、2ポーズ目とはいえ最初は照れもあったと思います。照れ隠しなのか、またジョジョ立ちなんかもしてました。
でも、だんだんと……なにかが降りてきたというか、表情が変わっていったんです」

「わかります。だんだんと、本当にちょっと、手の届かない人になっていくような、そんな雰囲気を纏いだしましたね」

「たまにカメラマンさんが『おお……』って言うんです。そのたびに撮れたカットを見に集まるんですが、どれも良くてすごくワクワクしました」

「It was so beautiful and amazingly cool!」

「髪も長いし、カーズみたいな『究極美生命体の誕生だッーーっ』って思いました」

濃い目のメイクを発注したのは、かつて憧れた、あるプロレスラーの影響を否定しえない。

それが今年引退した武藤敬司と、そのもう一つの人格、悪の化身「グレート・ムタ」。

動画のサムネイル

1994年5月1日(福岡ドーム)" ’94 WRESTLING DONTAKU IN FUKUOKA DOME" アントニオ猪木 VS グレート・ムタ
NJPW WORLD Official

思春期にムタから多大な影響を受けてきた今村は、メイクをプロレスの顔面ペインティングと解釈して自分の中に落とし込んでいた。

こうして、今村が自らの庭に埋めた美のタネは、
もう一つの人格、美の化身グレート・ムラという花をさかせたのだった。

美のプロたちに、ありがとう

 

今までの自分に、さようなら

       
そして、全てのメンバー(チルドレン)達に

 

ありがとう

一通りの感謝を告げると、

グレート・ムラはそのままチャリで、街へと消えていくのであった。

オレKaizen project 完

おまけカット

白シャツカットで現場で評判が良かったのは、なぜか芋とにぎり飯にかぶりついたカット。
「セクシーみがある」とメンバーからも好評だった。

今村自身も気に入っているから、これが決定稿でも良いと思っている。
これらの食材はたまたま差し入れがあったからではあるが、今村は甘い芋が昔から好きなことは付け加えておこう。

実はお茶目なフラワーボーイ!今村がいるのはディーゼロだけ!

ヘアメイク、撮影 MINT MAISON
福岡県福岡市中央区警固1-1-1 清賀ビル 3F
https://mintmaison.net/

生花 nonoka colore
福岡県福岡市中央区渡辺通5-26-5
https://www.instagram.com/nonoka_fs/

#今村美的カイゼンプロジェクト
#究極美生命体イマムラ

メンバー紹介

プランナー/クリエイティブディレクター
ラーメン・サブカルをこよなく愛するウェブ歴20年以上のリーダー

デザイナー
美と芋と子供達をこよなく愛するおしゃれ番長

アドバイザー/プランナー
柔らかい物腰で切れ味のあるコメントを放つご意見番

ディレクター/コーダー
緻密な工程管理を行いながら推し活にいそしむみんなの姉貴

デザイナー
やるかやらないか、アクセル踏むなら全開のデザイン職人

アドバイザー/プランナー
英語堪能なチームのムードメーカーかつDJかつMC

デザイナー
入社したてのフレッシュ新人デザイナー

コーダー
チームを支えるやんちゃな兄貴的存在の母