オレKaizen Project ~美に挑む男と7人の女たち~ 第四話
第四話「最後の使者」
コルグン、ハリウッドブロウリフトと完全に美の沼に浸かりつつある今村。
そして約束の時が来る……。
いつも通り、ユニットミーティングで今村の美について話し合うメンバーたち。
「あぁ、あれね。あれは元ネタがあって、昔『ろくでなしブルース』って漫画が少年ジャンプで連載されてて、何ていうかなあ、当時はよくあったんだけど漫画のコマの端っこに読者向けの文言が書いてあって、なぜかそれが凄く印象に残ってたんだよね」
連載当時は少年ジャンプ紙面の端に「実は、おちゃめなフラワー・ボーイ!森田まさのり先生の漫画が読めるのはジャンプだけだぜいっ!」という記載がされていた。
※画面は当時のイメージをスタッフが描き起こしたもの
「ろくでなしBLUES」(C)森田まさのり・スタジオヒットマン/集英社
と心の中で思ったとか思わなかったとか。
リーダー今村の美への最終段階のため、
メンバーたちは美容室の予約をとり、カメラマンとの事前ミーティング、花の選定・注文等、着々と準備を進めていく……。
そして約束の時(ネイル+撮影日)が来る。
Imamura's Beauty Report
ネイルアート
まずもってヘアメイク。これは結婚式の時に軽く整えてもらった経験はある。
だがネイルアート。こいつは別格の参入難易度だ。
これに高いハードルを感じる男性が大多数だろう。
かくいう今村も、メンバーに進められるまでは考えたことすらなかったし、今ここにこうして座って、ネイリストさんに手を握られている人生が待ち受けているなんて、プロレスと怪獣映画ばかり見ていた中二の夏には想像すらしていなかった。
頭の中のシンジ君が「逃げちゃダメだ」と言い、頭の中の猪木が「行けばわかるさ」と言う。
そして何よりメンバー達の言葉が、今村の背中を後押しした。
やると決めてからは情報を収集した。
インプットとは恐ろしいもので、男性ネイルアートを調べて様々なものを見ているうちに、男性のネイルアートに対する固定概念はいつしか消しとび、どうすれば「オレらしくなるか」に思考が切り替わっていった。
かくして今村の磨かれた爪に、人生初のネイルアートが刻まれていく。
- まず爪がきれいと褒められてご満悦。これまでの日々は無駄じゃあなかった。
- 爪にやすりをかけて、薄皮も丁寧に処理していく。まさにプラモのやすり掛けとランナーの処理。
- マジでプラモ好きオヤジは、ネイリストになれるぜ。
- 施術中、ずっと気にしていたのは我が指毛。こりゃあ次は脱毛だな。
- ベース的な奴を塗りこんでいくゥ
- 右手の指を一つ塗ったら紫外線照射装置にその手をぶち込み、反対の手を塗りこんでいく。これの繰り返しになることをジェルネイル初心者の方は覚えておくといい。
- よく考えれば女の人にずっと手を握られているぞ。よく考えちゃだめだ。
- 文字を一つ一つ書き込んでいく。
- 「震える」と緊張を口にするネイリストさん。
- なぜなら今村は文字を手書きしてもらう発注をしたからだ。
- 文字と書体はあらかじめ指定。今村の熱い思いが言葉となり、爪の上に一つ一つ刻まれていく。
- あえて光沢はいれずにマットな雰囲気して男性っぽく。プラモでも艶消しを好む。
- 色は入れずに文字だけにすることで、刺青のような雰囲気に。
仕上がりがこちら
- RAMEN KATA麺 僕イケ
- 親指だけは、黒どんぶりに「麺」を刻むイメージ。
- 文字を読まなければ、ぱっと見ではパンクロッカーのように見えなくもない。
- 最初はネイルアートに躊躇したものの、今村にとってのネイルアートが「オシャレなもの」としてではなく「ラーメン愛を身体に刻み込むもの」という気付きを自らに与えることにより、恥じらいや照れといったものが消しとび、むしろ誇らしいものとなった。
- 推し活をされている皆様。あなたの爪、何もしなくていいんですか?と問いかけたい。
- 大満足だし、このスタイルは是非皆様もチャレンジしてみるといいだろう。
へアメイク
普段メイクなどすることもない今村。
ただ普通にシャツを着て撮るものと思っていたのでメイクなんて必要なのだろうか、と半信半疑だったが、ものの数分でその考えが過ちだったと気づく。
ちょっと目を離したすきに鏡を見て驚いた。
下地というやつを塗っただけ。それだけだったが、いくばくか若返って見える。
いや若返ったというのは少し違うかもしれない。
若くなったということではなく、肌の色が均一になり無駄な凹凸やニキビ跡が薄まり、それでいて厚化粧をしているような印象もない。
なにかこう清潔感のようなものを纏い始めてきた。
- 肌のきれいさを褒められてご満悦。これまでの日々は無駄じゃなかった
- あれよあれよという間に、肌や眉、髪にメイクの魔法がかかっていく
- ヘアメイクとは輝きを与える魔法使い。まさにシャイニング・ウィザード
- 「下地」「ファンデーション」これらは化粧品のワード。さすがにそこまでは興味を持ってなかったが、美へのアンテナがたった今、簡単に肌の七難を隠していくこれらの化粧ツールが気になりだした46の初夏。
- 仕上がりは次回、撮影編にて。絶対見てくれよな。
2ポーズ目。
花と絡む今村の撮影へ。
- 花と絡むからには、花に負けてはいけない。主役はこの私なのだから。
- もう非現実の住人へと変身するしかない。
- ムーンプリズムパワー・メイクアップをメイクさんに強いる今村。
- エスカレートしていく要求。今までの常識が通じず、何かをブツブツといいながら、戸惑いつつも手を止めないメイクさん。本当にすまないと思っている。
- 美とは誰のためのものなのか。この時の今村はエゴイズムに取りつかれていたのかもしれない。
次回、究極の美生命体へ。
to be continued……
MINT MAISON
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次回予告
寝ても覚めても少年漫画を夢見てばかりで
自分の美しさをまだ知らなかった男。
どんなことでもやってみたら
少し経験値があがる事を知る。
次回最終話「Beautiful World」
#今村美的カイゼンプロジェクト
#究極美生命体イマムラ
「そろそろ最終工程の撮影に向けて準備をしていきましょう」