オレKaizen Project ~美に挑む男と7人の女たち~ 第三話
第三話「見知らぬ店長」
日々のパック、ヘアケア、ネイルケア…「美」への道へと歩き出した今村。
だがそれは険しい道の始まりに過ぎなかったのだと思い知ることになる。
「やってるよ。ほら見てこの艶やかな髪と、光沢のあるシワのない爪を!」
ブァサァー!
「最近美容ケア始めてから、社員やママ友なんかにも髪の艶を褒められたり、インスタに投稿されたり、チヤホヤされてきちゃってさ。ったく、見せ物じゃあねえってのによ(照)」
「……」
「……」
「……」
「さてはもっと褒められたくなってきてますよね! 欲しがりですね〜〜」
「更なる美をお求めということですね、何か悩みとかないんですか?」
「う〜ん……。まぁ単刀直入に言うと顔の大きさ、だね」
「大きさですか?」
「ほら、俺って福島ちゃんと並ぶと……。顔面のデカさ見てよ。巨顔偏差値なら神童レベルだよ……」
「今村さんの圧倒的顔のデカさは堂々とした印象にもなりますが、可愛い小さな子供たちからするとナマハゲレベルで号泣されるかもしれませんもんね」
「笑顔でなんちゅう事言うんや」
「では、次は『小顔』になるための美容に参りましょう!」
「うーん、小顔というと小顔ローラーとかが代表的ですかね?」
「Facial roller?」
「どうだろう、嫁のローラー借りてやってみたことあるけどあまりよくわからなかったんだよね」
「まぁ継続することが重要ですからね」
「だよね……。頭皮マッサージとかも小顔に繋がるって聞いたことあるけどどうなんだろう? 一回やったら結構変わる方法とかないのかな……」
「あ! そういえばリンパエステとかコルギどうでしょうか?」
「こ、コルギ?」
「Korugi? Bone setting massage?」
「いや発音がいいのはわかったって」
「そういえば最新だと『コルグン』っていう韓国で大人気の小顔マッサージがあるみたいですよ」
「美容大国の韓国で人気なら結構効果ありそうですね!」
「初めてだと多少痛いみたいなんですが、科学的にも効果が認められたマッサージとして有名なんです。でも日本だとまだ施術サロンが少ないみたいですね……」
「あ、リレイスと言うサロンがコルグンもやってて男性客も多いみたいですよ!」
「よし、リレイス、君に決めた!」
「小顔マッサージするのであれば眉も整えるともっと印象が変わりますよ!」
「確かに、眉の印象で顔の大きさに見え方変わりそうですね」
「ただ整えるより『ハリウッドブロウリフト』がおすすめです!」
「ハリウッド?」
「Hollywood?」
「あらかじめ形を整えた上でワックス脱毛とストレートパーマをかけるんです。そうすると毛の流れが一方方向に整ってスマートな印象になるんですよ! その上でボリューム調整すると目元の印象もずいぶん変わります!」
「でも眉毛は自分で伸びたら切ってるし、そこまでしなくても……」
「モテますよ?」
「やります! 行ってきます!」
Imamura's Beauty Report
ハリウッドブロウリフト
ーー数日後。
今村は、高宮にあるアパートの玄関前に立ちすくんでいた。
地図を元に、予約した眉のサロンに来てみたが、本当にここがそうなのかと疑うほどに、普通の玄関だった。
加えて初めての施術。高まる心臓の鼓動(ビート)。
「行けばわかるさ……か」
猪木の言葉を思い出した今村は、フッと息を吐き玄関のチャイムを押した。
ガチャリとドアが開き恐る恐る中に目をやると、そこには笑顔の女性がいて、軽い挨拶とともにすぐに室内に迎え入れてくれた。
狭い室内はおしゃれに整理されていて、ベッドが一つ置いてある。
その女性店長が一人で運営していて、客を一人ずつ施術するスタイルというのが一目でわかる。
いくつかのヒアリングや説明を受けたら、さっそくベッドにあおむけになった。
「知らない天井だ……」
などと呟くやいなや、ついに施術が始まった。
- ガイド線を描かれていく。これケンシロウくらい太くなるのでは?
- 不要な部分にワックスを塗って、剥がし抜いていく。痛くないと言えば嘘になるが、男今村、このくらいで痛がる様を見せるわけにはいかぬ。
- それより少しでも動くと抜いちゃいけない所にワックスがついてしまうので、微動だにしてはいけないのだ。
仕上がりがこちら
- 左before / 右after
- これがこう
- 元の眉で今村がクセのある処理をしていて難儀したらしいので、行かれる方は手を入れずにボーボーで行ってみるとよい
- ここではじめて鏡を見る
- こ……これが……おれ!?
- 正直、眉毛でここまで顔が変わるとは思っていなかった。超絶即効性のある美。
- この時、美の扉が完全に開いた。今村の覚醒はゼーレが黙ってない。これが山田指令のシナリオか。
- 男子みんな、眉の手入れをちゃんとしたところでやったほうがいい
- 帰り道、ちらちらガラスに映るオレをみる
salon.84
〒815-0082 福岡県 福岡市南区 大楠3-22-17 ハイツ松田305号
https://www.instagram.com/salon8_4/
コルグン
今村は、天神にある美容サロンの前に立ちすくんでいた。
「逃げちゃだめだ」からの「行けばわかるさ」を経て、ガチ美容の店舗にイン。
今村の前に立ちはだかる女性店長。
だが今村は緊張もそこそこに、それよりも「コルグン」なるものへの興味が勝ち、ヒアリングと質問のラリーが続く。
システムが分かったところで、店長からフォトフェイシャルもすすめられる。
フォトフェイシャルは、コルグンの効果を長持ちさせられるのと、ほうれい線や目じりのシワと、ニキビ跡などを目立たなくしてくれる効果があるという。
美に覚醒した今村は、この提案を受理。
早速上半身裸になり、施術ベッドにあおむけになる。
「知らない天井だ……」
などと呟くやいなや、ついに施術が始まった。
- まず顔をほぐしていくゥ
- コルギもコルグンも痛い。その予備知識だけで緊張の施術だったが、ただ気持ちのいい手技に、顔の疲れと緊張がすぐにほぐされていく
- この店は男性客も多く、脱毛などもやってるそうだ。
- 次は脱毛も・・などという考えが何の違和感もなく出てくるほどに、美の扉が開き切っているのを実感。
- 痛くないですよー、と言われてフォトフェイシャルを開始
- 光を何度も当てていくが……いてえ!!
- チクチクと針を刺される感覚がある。産毛などに反応しているのだろう。
- 痛さを口にするなど、九州男児の恥じよ。何事もなかったかのようにふるまうことができた。
- しあがりをスマホで撮ってみると、自分でも明らかに顔色が明るくなっているのが分かる。これは事前に産毛など顔の毛を剃った事も影響するだろうが、何かこうつるんとした実感がある。
- ここからしっかりした施術に入っていくが・・
- いってェェェェェェ!!
- いでぇぇぇよぉぉぉ!!
- ひぃぃぃぃぃぃぃぃ!!
- リンパの流れが悪いところ、凝り固まってるところは痛い。めちゃくちゃ痛い。九州男児も逃げ出したいほど。
- 特に痛かったのはこの耳の付け根と、あと顎のライン。顎はおしゃべりな人ほど痛いらしい。
- オイルマッサージはやさしいものが多いが、これはしっかり体重を乗せた施術。首や背中も手が入るので、顔だけでなく、肩や首の凝りにも効果があるという。
- 実際、施術後は少し軽くなった感がある。
- そしてコースについている石膏のパック
- 粘土のようなテクスチャのものを塗って放置プレイ
- 数分後に石膏が固まってきてカチカチに。その際に化学反応で熱を持ち、ちょっとしたサウナにいるような感じに。なんなんだこれは。どういう原理なんだ。
仕上がりがこちら
- 画像左(正面) 左before・右after / 画像右(横顔) 左before・右after
- 顔が明るくなり、目じりと頬とあごのラインが持ち上がっている
- 顔のむくみのようなものはなくなり、目に活力が感じられる
Relace
福岡県福岡市中央区渡辺通3-6-23 ラコルタ天神2F
https://www.instagram.com/relace_fukuoka/
次回予告
ついに美に覚醒した今村。
最後に二人の美の使者が立ちはだかるが、
覚醒した今村の要求は常軌を逸していた。
迷う心、震える手元、二人の使者には過酷な運命が待ち受けていた。
次回第四話「最後の使者」
#今村美的カイゼンプロジェクト
#究極美生命体イマムラ
メンバー紹介
プランナー/クリエイティブディレクター
ラーメン・サブカルをこよなく愛するウェブ歴20年以上のリーダー
デザイナー
美と芋と子供達をこよなく愛するおしゃれ番長
アドバイザー/プランナー
柔らかい物腰で切れ味のあるコメントを放つご意見番
ディレクター/コーダー
緻密な工程管理を行いながら推し活にいそしむみんなの姉貴
デザイナー
やるかやらないか、アクセル踏むなら全開のデザイン職人
アドバイザー/プランナー
英語堪能なチームのムードメーカーかつDJかつMC
デザイナー
入社したてのフレッシュ新人デザイナー
コーダー
チームを支えるやんちゃな兄貴的存在の母
「ちゃんと毎日のケア、続けてますか?」