オレKaizen Project ~美に挑む男と7人の女たち~ 第二話
第二話「男の戦い - 美は一日にしてならず」
ついに始まる今村のオレKaizen Project。
今村を美しくするべく、ユニットメンバーが会議に臨む……。
「……撮影ってなんだっけ」
「美しくなった今村さんを、我々だけで見るで終わるんですか? 美しい今村さんはみんなでシェアする必要があります」
「似てますね!」
「ほんとだ!」
「Fantastic!」
「今村さんのいとこですか?」
「……髪の毛だけやないかい!!」
「今村さんにはこんな感じを目指していただき、もちろんディーゼロのサイトでもお披露目のページを作成し、SNSでもじゃんじゃんシェアしてもらわないといけないと思っています」
「そ、そうなの……?」
「そうです。なので今日は日々のケアについて話しますが、ヘアサロン、ネイルサロン、小顔、エステなど、トータルビューティーを完了させ、ウツクシイ今村さんの写真を撮るまでがこのプロジェクトの目標です」
「私、ScheduleとBacklogでTaskたてときます」
「デザインはまかせてください。石井ちゃん、三隅さん、フォローしてもらえる?」
「了解しました!」
「了解しました!」
「あ、じゃあコーディング私やりますね、事前にデザインみせてください」
光の速度ばりにチームワークを見せるユニット今村のメンバー。MTGは続く。
「そもそも今村さん、美でなにか悩んでることあるんですか?」
「うーん、あんま考えたことなかったけど……。まあ、肌の油分は気になるかな……。夕方以降のてかりとか」
「混合型ですか?」
「……コンゴウ? なにそれ。ストロング金剛?」
「混合型っていうのは、Tゾーンはベタつくけど、Uゾーンはオイリーとかですね。資生堂でいい感じの説明ページありました」
「へええ……(低)、そういうのがあるんや……、勉強になる……」
「まずは日常の美容を整えましょうか。お肌のケアと髪の毛と、爪と、眉と……」
「ちょちょちょ、ちょ待てよ! 多すぎやって。大杉連やって! 少し減らしてくださいよ(必死)」
「仕方ないですね。毎日取り組んでほしいから、とりあえず、肌・髪・爪にしぼりましょうか」
「実は事前に調べてきたものがあります」
「仕事早っ! めっちゃわかりやすいわ! この特徴の『サイズ大きめ』って、サイズが大きいってこと?」
「そうですね」
「あ、じゃあオレこれじゃないといかんかも……」
(一同、黙……)
「……効果がでてるか比べるために、顔半分だけパックしてみるのってどう? 顔の左側だけパックするの」
「面白いけど、今回はナシですね(バッサリ)」
「とりあえず物理的な問題があるなら、この大きめシートでいいのではないでしょうか?」
「Sounds good! 口コミもよさそうだし」
「今村さん、今はなにか肌ケアしてるんですか?」
「実は化粧水くらいはしてるんよね、パックまではやってないねえ」
「結構値段に幅がありますね~! これとか5枚で4,400円!」
「4,400円!? 1枚900円くらいすんの!? 高すぎて引くわ……。何が違うのよ……」
「こういうのは特別な日の前日くらいに使う用ですね。普段使いのものはコスパ重視でいいんじゃないですか?」
「そうですよ、今がパックしてないから、パックを始める、ということに意味があるので」
「ベースは20枚1,000円台のもので、予算があれば……、撮影の前日は高めのやつにしましょう」
パック選びに議論を重ねること40分、ようやく使うパックが決まる。
「よし! じゃあパックはこれで決まりですね! 次はヘアケアを決めて行きましょう」
「パックだけでそろそろ40分か……。1時間のMTGが終わりそうだから次にまわす?」
この一言がメンバーの琴線に触れる。
「今村さん、それ真面目にいってます?」
「えっ……?」
「Hmm...... I got it! 今村さん、ビビってるのですね……!」
「いや、ちょっ……」
「......Really? What’s wrong with you? (ちょっと、おこ!)」
「あううう……。なんか、怒ってる……? う~~ううう、あんまりだ!
あァァァんまりだァァアァァ!!!!!」
追い詰められた今村は会議室から脱兎のごとく逃げ出した。
わずかな時間の沈黙はありながらも、メンバー達の会議は滞ることなく、今村がいないまま進んでいった。
しばらくして、その様子を会議室の外からのぞいていた今村は、自分がいなくても進行していく寂しさと、ミッションを成し遂げようとする女たちのまっすぐさに、熱い感情が込み上げてきた。
「逃げちゃだめだ……。逃げちゃだめだ……!」
ほどなくして会議室に帰ってきた今村。みんなにかける言葉が見つからず、ぽつりとつぶやいた。
「……ごめんなさい。こういうときどんな顔すればいいかわからないの……」
「笑えばいいと思います」
「さあ、髪と爪、選んじゃいましょう!」
「Don’t worry, you will be so beautiful and attractive! 大丈夫よ~♪」
一度は逃げ出した今村を咎めもせずやさしく迎え入れてくれるメンバー。
今村は精一杯の笑顔と、心の中でみんなにありがとうを伝えた。
そうして、引き続き現状と課題をヒアリングされ、改善提案をうける今村だった。
会議後、早速指定された美のグッズをネットで注文した。
—— 数日後
今村家に続々と届く美のグッズ。
しかしそれを真っ先に開封したのは、今村の妻だった。
急に色めきだした夫に対して、何かしらを怪しみだした妻はそれをinstagramのストーリーズに晒した。
「これはな、会社の女性たちが俺を美しくするためにだな……」等と伝えても暖簾に腕押し。
こうなったらもう俺の美を見せつけるしかない。
そう覚悟を決めた今村の、男の戦いが幕を開けた。
Imamura's Beauty Report
毎日ケア用の購入物
左から パック:MJCAREメンズシートマスク大きめシート/ ネイルオイル:Petit Femme NAIL SERUM フレッシュフローラル/ トリートメント:ミルボン ディーセス エルジューダ エマルジョン+/ シャンプー・トリートメント:BULK HOMME
パック
- 「大きいサイズ」は結果的にシンデレラフィット。
- 想像以上にヒタヒタで顔につけるのを躊躇するほど。
- 口とアゴのヒゲ部分が浮いてくるので、なんかずっと押さえてた。
- スーッとする成分があり清涼感があって気持ち良き。
- 誰でもザ・デストロイヤーみたいになれる。
- 誰でもヨハネ・クラウザーII世みたいになれる。
- 外した後しばらくして、ふと顔を触った時に「こ……これが俺の肌……なのか?」と言うくらい、水々しくて初めて味わう質感に。
ヘアケア
シャンプー
- 風呂前にブラッシング。
- シャンプー前にお湯ですすぎ洗い。
- 軽く汚れを落とすため手持ちのシャンプーで予備洗い。
- バルクオムシャンプーでしっかり泡立てて洗う。泡が細かくて立つような質感だったからゴンみたいにできた。
- 頭皮は電動頭皮マッサージャー的な奴で揉みほぐしていくぅ。
トリートメント
- すすいでざっと水気をきりバルクオムのトリートメントをもみこむ。とても良い香りに包まれて満足感高し。
- あがったあとタオルドライ。
- ミルボンのトリートメントをもみこむ。ここでもいい匂いで満足感高し。
- その後ドライヤーで乾かす。
仕上がりがこちら
ネイルケア
- ヤスリをかけて磨きこみ
- ネイルオイルを塗っていくぅ
- この作業が不思議となんの違和感もなくできたのは、プラモ作りと同じ感覚だったからか。プラモ作ったことある人は問題なくできる。簡単だし男はみんなやった方がいいとすら言える。
仕上がりがこちら
- 満足感がある。大概の男性のネイルケアはもうこれで十分と言えるほど。
- ネイルオイルの使い方が全くわからず塗り過ぎてしまった感は反省点。後で聞いたら、爪の根元にオイルを乗せる程度で、後は指で揉んだり馴染ませたりすればいいらしい。
次回予告
毎日のパックやヘアケアを開始した今村。
だが、それは始まりに過ぎなかった。
立ちはだかる美の化身達に今村は惑う。
次回第三話「見知らぬ店長」
#今村美的カイゼンプロジェクト
#究極美生命体イマムラ
メンバー紹介
プランナー/クリエイティブディレクター
ラーメン・サブカルをこよなく愛するウェブ歴20年以上のリーダー
デザイナー
美と芋と子供達をこよなく愛するおしゃれ番長
アドバイザー/プランナー
柔らかい物腰で切れ味のあるコメントを放つご意見番
ディレクター/コーダー
緻密な工程管理を行いながら推し活にいそしむみんなの姉貴
デザイナー
やるかやらないか、アクセル踏むなら全開のデザイン職人
アドバイザー/プランナー
英語堪能なチームのムードメーカーかつDJかつMC
デザイナー
入社したてのフレッシュ新人デザイナー
コーダー
チームを支えるやんちゃな兄貴的存在の母
「さあて、今村さんにはどう美しくなってもらいましょうか。撮影もしなきゃですしね」